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アルバイト・パートでも育児休業給付金をあきらめないで!
「育休手当」と聞くと、結構みなさん「正社員だけの特権でしょ」と思われてるんですよね。「時給で働くアルバイト・パートではもらえないんでしょ」と。
かくいう私もそう勘違いしていた一人でした。
そもそも、第一子出産を控えて仕事を退職するか否か、という段階まで「産休」と「育休」の違いすら知りませんでした。そういう方、結構多いのではないでしょうか?・・・え?私だけ?(~_~;)
でも、
扶養内(※)のパートでも、条件を満たせば育児休業給付金はもらえます!
※ここでいう扶養とは、130万円以内(社会保険・健康保険の扶養)、103万円以内(所得税の扶養)のどちらも対象になります。
実際に扶養内パート勤務中に育児休業を取得し、育児休業給付金の支給を受けた経験をもとに、
支給条件などまとめてみたいと思います。
ここからは、正社員ではなくパート・アルバイトの方を対象とした記述になりますので、正社員の方は「そんな当たり前な!」といった印象を受ける内容もあるかもしれません。あしからず。。
育児休業給付金の支給条件 私は対象なの?
これ、当たり前の条件です。なぜなら、育児休業給付金は雇用保険から支払われるためです。(職場から支払われるわけではないですよ!)
つまり、雇用保険の被保険者でない人(専業主婦や自営業の方)は、育児休業給付金をもらうことができません。
もし自分が雇用保険に入っているかどうか不明な場合、まずはお手元に給与明細があれば控除の項目を確認してみてください。「社会保険料」または「雇用保険料」などの項目でいくらかひかれていれば、雇用保険に加入しています。
手元に給与明細がない場合は、雇用保険の加入条件(所定労働時間が週20時間以上・31日以上継続雇用の見込み)を満たしていれば、よほどのブラック企業でない限りまず間違いなく加入しています。
もう少し詳しく書くと、「育児休業開始日(産後57日目)までの2年間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(完全月)が12か月以上ある」というのが条件になります。
同じ職場で1年以上、週3~4日以上の勤務をしていればこの条件はほぼクリアできると思います。
判断が難しいのが、2年以内に転職をしている場合や、シフト制で月によっては日数が11日に足りない月がたびたびある場合など。
2年以内に転職をしていても、前職でも雇用保険に加入していて、11日以上働いた月が2年の間に通算で12か月以上あれば一応はOKなのですが、この「月」の計算も結構複雑なんですよね。
あくまでも「育児休業開始日(産後57日目)」を起算として1か月ごとに遡っての「月」なので、「暦の1日から末日」でもなく、「給料締日」でもないということです。
ギリギリかも・・・と思われたら、勤務表(出勤簿)2年分を持ってハローワークに出向かれると支給要件を満たしているか教えてくれると思います。給与明細も合わせて持っていけば金額もわかると思います。
ここで原則と書いたのは、パパママ育休プラス制度を利用する場合は子が1歳2か月になるまで、また、保育所に入れないなどで延長が認められた場合は1歳6か月または2歳までとなります。
当たり前ですが、妊娠中に辞めたり、給付金だけもらい終わったら復帰せずに辞める予定の人は、支給されません。
育児休業中でも職場からお給料が出る場合は、休業前のお給料の8割以上をもらっていないことが条件です。
育児休業中でもお給料をくれる職場なんてあるの!?と疑問に思いませんか?
全国探せばそんな素敵な職場もあるのかもしれませんが、私は聞いたことありません。笑
この条件は、実は次に挙げる条件と関係があります。
育児休業中に就業?とこれまた疑問に思う人もいるかもしれませんが、実は、育児休業中でも働くことはできるんです。
私は実際に第一子の育児休業中、月に数日ほど自宅勤務をしていました。休業中に働けるかどうかは職場や職種によって異なりますが、長期休業中に仕事を忘れないようにと定期的に出勤させる会社もあるようです。
各支給単位期間(月)ごとに10日以内(10日を超える場合は80時間以内)であれば働いてよく、その分のお給料はもちろん会社からもらえますが、このお給料と育児休業給付金を合わせた額が「休業前のお給料の8割」を超えないように注意しないとなりません。
例えば・・・
休業前のお給料平均がざっくり「10万円」だったとします。
前提として、支給額は(詳細後述)支給開始から6か月間は67%の「6万7千円」、6か月経過後は50%の「5万円」がもらえます。
支給開始から6か月経過後(支給額は5万円)のある月、数日だけ働くことになった場合。
この働いた分のお給料が「2万円」であれば、給付金「5万円」と合わせても休業前のお給料の80%(8万円)を超えないため、給付金は満額(5万円)もらえます。
しかし、働いた分のお給料が「4万円」であれば、給付金と合わせると「9万円」になってしまい、休業前のお給料の80%(8万円)を超えてしまいます。すると、この超えた金額分の給付金(1万円)は減額されて給付金は「4万円」しか支給されなくなります。
ですので、もし育児休業中に働く場合は、損をしないように調整するといいと思います。
支給条件まとめ
- 雇用保険の被保険者であること
- 過去2年間(24か月)のうち、11日以上働いた月が12か月以上ある
- 原則として満1歳未満の子供を育てる人
- 育児休業終了後に職場復帰する
- 育児休業中に職場から休業開始前賃金の80%以上をもらっていない
- 育児休業中に就業する場合は10日以内または80時間以内であること
上記の条件を満たしているあなたは、受給資格があります!
育児休業給付金の金額 いくらもらえるの?
さて、受給の条件を確認すると、無事に支給されそうだということがわかり安心できたところで、次にもらえる金額についてお話したいと思います。
育児休業給付金の支給額は、休業前のお給料平均(賃金月額)の67%、ただし6か月経過後は50% です。
休業前のお給料平均とは、
原則、休業前6か月間の賃金を180で割り、30をかけた額です。これを「賃金月額」と言います。
この計算した賃金月額が74,100円を下回る場合は、74,100円が賃金月額となります。ちなみに上限もあり、賃金月額の上限は447,300円です。(2018年6月現在 ※この値は毎年変更されます)
強調した原則についての記事はこちら↓
さて、この計算方法について、時給で働く私が当初不安に思ったのは、「休業前6か月間の平均」というと、産前・産後休業期間を含めてしまうと平均金額がとても少なくなるのでは!?、ということです。
産前休業に入った後はもちろん無給ですし、産前休業に入るタイミングとお給料の締め日によっては最後にもらったお給料はすごく少ないですよね。
えー、じゃあギリギリまで働けなかった人は損するじゃん!
・・・いえいえ、そんなことはないのです。
ここでまた登場するのが、支給条件にもあった「11日以上働いた月(完全月)」という考え方です。
休業開始時点から遡っていき、「11日以上働いた月」に対応するお給料が、休業前6か月間の賃金を算定する元となる、と言えばわかりやすいでしょうか。
例えばもし休業前につわりなどで休む日が多く、8日しか働けなかった月(お給料が少ない月)があった場合には、その月のお給料については算定元から外すことになります。
給付金がもらえる期間は いつまでもらえるの?
もらえる期間は、前述の通り原則子が満一歳になる前日までです。
捕らぬ狸のなんとやらではありませんが、「一歳になるまでだから12か月分もらえるのね~」なんて思っている人もいるかもしれませんが(実際私は友人にそう言われました)、それは間違いです。
女性の場合、出産後8週間は「産後休業」期間となりますので、その間は給付金支給対象外となります。
そのため、子が一歳になるまで育児休業を取得する場合は、約10か月分支給されることになります。
一歳を待たずして復帰する場合は、復帰する前日まで支給されることとなり、保育所の待機などで育児休業を延長(一歳半または二歳まで)した場合は、育休終了まで支給されます。
育児休業給付金の支給時期 いつからもらえるの?
さて、ここまでで支給条件、金額と書いてきましたが、一体いつもらえるのかも重要ですよね。
実は、初回の育児休業給付金は、なんと、産後4か月経過後なんです。
・・・遅っ!(@_@;)
育児休業給付金は、育休中のお給料のようなもの。家計を支える大事な収入です。
しかしながら、育児休業開始(産後8週間)からさらに2か月経過しないと支給申請ができないため、産前休業も含めると、人によっては5か月ほど無収入の状態となります。
私は臨月まで働いていましたが、最後のお給料から最初の育児休業給付金支給まで4ヶ月半もあり、正直その間、生活がカツカツでした(+o+)
5か月収入がないというのは、結構キビシイことです。この期間の家計については、事前に家族でしっかりと話し合うことをお勧めします。
支給は銀行振り込みとなりますが、毎月自動的に振り込まれるのではなく、原則2か月ごとに毎回申請をし、2カ月分がまとめて振り込まれることになります。
原則は2か月に一度ですが、本人が希望すれば1か月に一度申請をすることができます。
たとえ合計の金額が変わらないとしても、毎月振り込まれるのは嬉しいですよね。
忘れずに職場に希望を出すようにしましょう。
申請から支給されるまで 何日で振り込まれるの?
給付金支給申請については、前述の通り初回申請は産後約4か月後から可能です。
私の場合、平成29年9月中旬に出産、初回支給申請期間は平成30年1月上旬~でした。
私の会社の担当の方は、いつも支給申請期間が始まってから一週間以内には申請に行ってくださってます。(ありがとうございます!)
申請からはおおむね3営業日後に振り込まれています。
一度だけ10日かかったことがありますが、このときはハローワークに問い合わせると繁忙期だったようです。
なお、申請が遅れると振り込みも遅れます。
振り込みが遅い場合には、ハロワに問い合わせるより前に会社に確認しましょう。
そして、申請を忘れていて定められた申請期間を過ぎてしまうと、その支給単位期間の給付金は支給されませんので要注意です。
私も第一子の育児休業を取得した際、一度だけ会社の担当の方が手続きを失念していて、危うく2か月分もらい損ねるところでした。
申請は基本的に会社が行ってくれますが、任せきりにせず私たちも気をつけないといけませんね。